カテゴリー: コラム

カジノ法案にマイナンバーが?

 カジノ法案が、先日の20日参議院本会議で可決成立されました。
このカジノ法案はIR(統合型リゾート)法案などとも言われていますが、正式名称は『特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律』というそうです。
 名称のとおり、統合型リゾート施設としてカジノの他にも公共性の高いホテルや映画館・ショッピングモール
など幅広い用途に使われることを目的としています。
 カジノ法案は、2020年の東京五輪後の成長戦略の柱に掲げられており、早ければ2023年に国内初の合法カジノが開業する見通しとのことですが、皆様もご存じのとおり、本来カジノは刑法で禁じられていますが、特例的にカジノを合法化することで、インバウンドの増加・地域雇用の促進・インフラ整備が整うことが期待されています。
 実質は、関税対抗措置もとらない安倍総理のトランプ大統領へのご機嫌取りにすぎないとか・・・。

 ただし、ギャンブル依存症への懸念も根強いため、カジノへ入場するためにはマイナンバーカードの提示と入場料を6,000円徴収・入場回数を週3回かつ月10回などと制限しています。(事業者側は、カジノ事業は3年ごとに更新する免許制とし、カジノに係る収益の30%を国と地元自治体に税金として納めなければなりません)。

 では、カジノをして儲けた者に係る税金はどうなるのでしょうか?
 おそらくは一時所得として申告するか、継続的収支をはっきりエビデンスとして残せるのなら雑所得して申告することができるかもしれませんが、なにせマインナンバーカードを提示しなければカジノへ入場することもできないため、マイナンバーで管理されている以上、申告は免れられないと思われます(申告することが当然なのですが)。
  出国税とあわせて税収をどのくらい確保できるのか興味はつきませんが。

CRD評点とは?

 『CRD』とは、Credit Risk Databaseの略で、中小企業信用リスク経営情報データベースのことです。

 中小企業の経営者の多くの方が信用保証協会を利用されたことがあることだと思います。この保証協会の保証付き融資を申し込むと、申し込まれた企業の決算書などを財務分析することで、倒産リスクに応じて9段階に区分された保証料率のうちいずれかが適用されます。
 
保証協会は倒産リスクを合理的に判断するために、審査対象企業を点数で評価します。この判断基準とされているのがCRD評点です。

 言い換えると、このCRD評点が高くなるような決算書があれば、銀行融資はスムーズになると言えます。我々税理士は節税対策に力を注ぐことで少しでも納税(キャッシュアウトフロー)を防いであげたいと思っていますが、時には納税額が若干増えてでも銀行融資(キャッシュインフロー)のために力を注ぐことも重要です。

 事業承継で自社株式の評価額を下げたい企業、将来の勇退時に投資資産である生命保険を積み立てて退職金を準備しておきたい企業、その事業に係る許可更新のために流動比率などを重視する企業・・・その時点やその業種によって求められる決算書は違います。
 もちろん決算書を自由に変えることはできませんが、大切なことは中長期事業計画をたてて常に対応できる財産形成に尽力することです。

 資金の新規融資が必要な業種の企業は、CRD評点を上げるために自己資本を潤沢にしていきましょう!!

配偶者の居住権とは?

 『配偶者居住権』という権利が新たに創設されようとしています。
これは住宅に係る権利を『所有権』と『居住権』に分けるもので、相続等の際に配偶者が居住権を選択すれば、所有権が別の相続人や第三者に渡っても亡くなるまで住み続けられるというものです。
 また居住権の評価額は、配偶者の余命年数などから算出されるとのことで、高齢になるほどその評価額は低くなり、所有権より少ない額で相続税を計算することで、配偶者は遺産分割のために自宅を換価する必要がなくなります。
 ただし、この居住権は必ずしもいいことばかりではなさそうです。
 『所有権』というのは、その住宅を使用収益する権利もありますし、自由に譲渡することもできますが、『居住権』はただ住むだけの権利だからです。
 高齢者である配偶者が相続がおきた後も雨風をしのいで寝食することだけを考慮すれば、配偶者の生活は守られることになりますが、現実問題として介護等が必要な状況であれば介護施設などで生活することを前提に考えて少しでも多くの現金を所有しておく必要があります。
 子と同居できるのか、数年後に同居するのか、今まで通り1人で暮らすのか・・・いずれにしても先々のことをよく考えて、居住権と所有権のどちらを選ぶのか親族としっかり相談して決める必要があります。
 ちなみに、当該法改正は法律婚を対象としており、事実婚は対象外となっています。これらも踏まえて今後も検討を進めていく必要がありますね。

不動産売買から目が離せない?

 不動産ビジネスが大きく変わろうとしています。それは民法改正により2020年4月から不動産の賃貸借や売買に関する考え方が変更されるためです。
 改正による変更点は次の通りです。

1.賃貸借

 ・敷金・原状回復のルールが明確化
 ・連帯保証人の極度額を設定
 
2.売買
 ・瑕疵担保責任から契約不適合責任へ変更

 今回の改正は買主に対してより手厚い保護を与えたような印象をうけます。これにより売主はより慎重な対応が求められることになるのですが、当該改正はそもそも外国人投資家の参入も視野に入れてのことで、旧民法の「瑕疵担保責任」という考え方は日本人独特のもので外国人には馴染みのないものであり、日本の不動産に投資する際のデメリットにもなっていたそうです。
 これを当該改正で「契約不適合責任」へと改め、責任を負う範囲を契約で明確にすることで外国人投資家でも安心して日本の不動産に投資することができると期待されています
 しかし、
既に中国人投資家の間では東京近郊を中心に不動産の売却に転じているようです。日本の税制では不動産の譲渡に係る税率を所有期間が5年を超えるかどうかで判定するため、2012年頃から始まったとされる中国人による不動産の爆買いから5年が経過したため今後も続々と増えていくと予想されています。
 今回の民法改正の施行時期は東京オリンピックと重なります。来年には消費税率の増税も予定されているため2020年までに不動産の売買を検討している方は目が離せない問題です。

税制改正で所得税が上がるのか?

 平成30年度税制改正大綱の発表がされ、あっという間に3か月が経過してしまいました。そのうち我々の生活に最も身近な個人所得税においては、給与所得控除、公的年金控除、基礎控除などの見直しがおこなわれました。なおこれらの改正は平成32年分以後から適用される見込みです。

①給与所得控除

 給与所得控除は、控除額が一律10万円引き下げられ、給与収入が162.5万円以下で55万円となり、また給与収入が850万円で上限額は195万となります。

②公的年金控除

 公的年金控除は、控除額が一律10万円引き下げられ、公的年金等の収入が1000万円を超える場合の控除額の上限は195.5万円です。年金等以外の合計所得が1000万円超の場合には、公的年金控除が10万円引下げられ、2000万円超の場合は20万円引下げられます。

③基礎控除

 基礎控除は一律10万円引き上げられますが、合計所得が2400万円を超える場合には段階的に引き下げられ、合計所得が2500万円を超える場合には0となります。

要するに、給与収入850万円超の方や合計所得2400万円超の高額所得者の税負担が多くなるということです。

必ず会社の社長とは話し合っていることですが、法人の役員報酬シミュレーション必至です💦

裁量労働制の拡大はいいこと?

「働き方改革」の残業規制をめぐり、労働時間の調査データに異常な数値が見つかった問題で、安倍首相は衆院予算委員会で謝罪したにもかかわらず、裁量労働制の拡大などの施行時期を遅らせるどころか今国会で成立を目指しているようです。
 裁量労働制には、専門業務型(われわれ税理士なども含まれます)と企業業務型とういうものが2つありますが、どちらも労働基準法という法律により「業務を遂行するためには労働者の裁量が必要である」という内容が明記されています。
 したがって、労働者は使用者からの業務命令に対し、労働者自身の自由な働き方で業務を遂行し、完了させればいいことになるため、当該裁量を拡大してあげようという法案は一見するとすばらしい法案に思えます・・・。

 しかし、仕事って現実はそんなに甘いもんじゃないですよね?

 早く業務を完了させれば業務命令を追加され仕事は増えるいっぽうですし、上司からの残業命令を断れた試しもありません。
 そもそも自由に働いてそんなに早く帰りたいと思わないですけど(私だけでしょうか・・・)

 過労死を無くすためにも残業規制は本当に重要な問題です。政府も使用者も真剣に対応していくにはタックスドリブンが必要かもしれませんね。

individual-type Defined Contribution pension planとは?

  iDeCo(確定拠出年金)のことです。
 2017年1月に個人型確定拠出は加入対象が大幅に拡張されることになりました。確定拠出年金法等の一部を改正する法律案が成立し、個人型の対象者が現在の国民年金第1号被保険者および第2号被保険者(会社等で年金がない場合のみ)から、第3号被保険者(第2号被保険者の被扶養配偶者)を含むすべての国民年金被保険者へ拡大されました。

 この確定拠出年金の最大のメリットは下記①から④のとおり、『なにせ節税』です。

①個人型確定拠出年金の掛金(上限あり)は、小規模企業共済等掛金控除として全額所得控除扱いとなります。

②金融商品に係る利子や配当などの運用益は原則的には課税されますが、確定拠出年金に係る運用益は非課税にな  ります。

③一時金として受け取る場合は退職所得として、退職所得控除が適用されます。年金として受け取る場合には、公的年金等控除が適用されます。

④相続税法上はみなし相続財産(退職手当金等に含まれる給付)として法定相続人1人あたり500万円まで非課税となります。

 また、デメリットは下記の❶から❸のとおりで『あくまでも投資』だということをよく理解する必要があります。

❶60歳になるまで積み立てた運用資産を引き出せません。

❷口座開設時および運用期間中に手数料がかかります。

❸将来の年金額は確定していないため、元本割れの可能性もあります。

 当事務所では、実際の節税額をシミュレーションして分かりやすくご説明させていただきます。お気軽にご連絡ください。

医療に係る消費税の非課税還付方式はどうなる?

 マイナス改定と言われ続けていた2018年度の診療報酬改定は医療機関の収入を増やす結果となるようです。全体としては前回に引き続きマイナス改定となったものの薬価を大幅に抑制できたことで、医療機関の経営改善のためには、前回以上のプラス改定が必要という日本医師会の要望と安倍政権の意向が反映されているようです。
 日本医師会の力をあらためて感じることができましたが、次はいよいよ医療に係る消費税の非課税還付(控除対象外)問題です。
 この問題について日本医師会は税制改正要望を長年提出しており、自民党公明党の平成27年度税制改正大綱においても、『医療に係る消費税等の税制のあり方については、 消費税率が10%に引き上げられるまでに、医療機関 の仕入れ税額の負担及び患者等の負担に十分に配慮し、関係者の負担の公平性、透明性を確保しつつ抜 本的な解決に向けて適切な措置を講ずることができ るよう、実態の正確な把握を行いつつ、医療保険制 度における手当のあり方の検討等とあわせて、医療 関係者、保険者等の意見、特に高額な設備投資にか かる負担が大きいとの指摘等も踏まえ、総合的に検討し、結論を得る。』と記載されています。
 我々からすると特定の団体の権力によって税制が統一されないことに違和感をおぼえますが、権力を持つことで社会を変えていけるんだなと痛感させられます。

トランプによる歴史的減税とは?

 トランプ米大統領は9月27日の演説で、米国連邦法人税率を35%から20%に減税すると発表しました。これにより企業の税負担が軽くなり雇用拡大や賃上げが期待されています。さらに子育て世帯の税額控除を拡大することで中間所得層に恩恵が及ぶものとされています。これと同時に最高税率の引き下げと相続税の撤廃も表明し、富裕層への税制優遇も諮られました。

 日本では『富裕層から税金を取ればいい』という考え方が専らで、今年度の税制改正要望も給与所得控除や公的年金控除の削減などが盛り込まれています。

 日本の経済はGDPが前年よりも上がったものの、その大きな要因は外国人のおかげだそうです(インバウンド)。その期待の外国人の国内消費や国内生産も、日本の相続税のせいで飛躍的に上がることはなさそうです。

 日本では2013年に相続税改正を行い、死亡時に国内に住所がある場合には、外国籍であっても海外で保有する資産を課税対象としました。これでは優秀な外国人が日本に来てくれないということで今年の4月に、外国人への影響緩和を目的として納税義務が生じるのは10年以上日本に住所があった場合と条件を加えましたが焼け石に水と言ったところでしょうか。結局、日本からは財産を持って出て行ってしまいます。(出国税なるものも誕生するようですが・・・・・・。)

 長い目で見た場合、トランプ大統領が掲げる相続税撤廃は米国をより歴史的な経済成長を促すことになるかもしれませんね。

 

内部留保課税とはなんだったのか?

 先日の22日に衆議院選挙の投開票が行われましたが、注目度の高かった希望の党は惨敗に終わりました。
その要因として小池さんの言動(排除やリセットなど)が取りざたされていますが、最大の要因は何と言っても消費税増税の凍結案として『内部留保課税』を公約にいれてきたことだろうと思っています。

 確かにキャッシュが世の中に流れわたるような仕組みづくりは素晴らしく、内部留保課税のさらなる代替案を示せと追及されると難しいのですが、企業をよく知らない政治家は根本的なことを勘違いされているように感じてしまいます。

 『内部留保=キャッシュ』ではないことと、『内部留保は株主のもの』だという点です。

 ただし、同族会社の留保金課税というものは以前から存在しており、平成19年から停止措置を受けているに過ぎません。まだ起業されて間もない事業者の中には留保金課税を知らなかったという方が多いのも事実です。

 今回の選挙で留保金課税が注目されたことにより、留保金課税が即大復活することはないと思われますが、役員個人の税金計算をするうえでも給与所得控除がどんどん削減されていることや来年からの配偶者控除の改正等を踏まえて、配当所得との税率のバランスをシミュレーションするいい機会ができました。