預貯金の仮払い制度とは?


 昨年の7月に40年ぶりとなる相続に関する民法改正が成立しました。主な改正内容は下記のとおりです。

・法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設
・配偶者居住権の創設
・預貯金の仮払い制度の創設
・特別寄与料の支払を請求できる規定の創設など

 このうち預貯金の仮払い制度については平成31年7月1日に施行されます。

 以前は、預貯金債権は可分債権であるため遺産分割は不要のものとされており、各相続人は金融機関に対して、個別に自己の相続分を請求できるとされてきました。ところが、最高裁の平成28年12月の判決で、預貯金債権は可分債権ではなく、遺産分割の対象に含まれると変更されてしまい、遺産分割が終了するまでの間は、各相続人は金融機関に対して、個別に自己の相続分を請求することができなくなりました。

 そこで、遺産分割の前であっても共同相続された預貯金の引き出しができる制度として、預貯金の仮払い制度が創設されました。
 預貯金を
引き出す方法は2つあり、1つは、家庭裁判所の手続きを利用する方法、もう1つは、一定範囲内で相続人単独での引き出しを認める方法です。おそらく後者を利用される方が今年の夏以降から増えていくのではないでしょうか。

 ここでいう一定範囲には計算式があり、当該金額を上限に金融機関ごとに引き出すことが可能だということです。

 金融機関ごと引出可能額 = 相続時の預貯金額 × 1/3 × 法定相続分 ≦ 150万円 

 お葬式を安心してあげることができれば、その後の分割協議も冷静に行うことができそうですね。